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  • 2026年4月22日
    【会員NOW】TOPインタビュー
    「開発・設計力で確立した金属加工技術を生かし、オイルダンパーで世界に安全を」 テクノタイヨー・水野敏雄社長
    自社開発のオイルダンパーで世界へ
    自社開発のオイルダンパーで世界へ
     今回は株式会社テクノタイヨー・代表取締役の水野敏雄氏にインタビュー。金属部品の加工および各種機械や機構の組み立てを主力事業とする同社は、卓越した技術力を武器に、開発・設計・製造を一貫して担い、得意先からの受託でOEM生産を行っています。
     もう一つの柱が、完全オリジナルのオイルダンパー群。大手のダンパー専門メーカーにはできない“自由設計”が売りで、培った技術を生かしてどんなニーズにも合う特注品が可能です。
    「けんざい」編集部

    生粋のエンジニアが築き上げた技術を継承

     水野社長は「当社では合理化や低コスト化を図るため、治具(ジグ)も社内でつくってしまいます。治具とはさまざまな形状のワーク(加工対象物)を固定するための補助機械のことで、このような技術がテクノタイヨーのものづくりを支えています。当社の源流をつくったのは、創業者である父・水野弘雄(現会長)です」と振り返る。
     弘雄氏が起業したのは43年前。根っからのエンジニアだった彼は、自動省力化機械の開発・設計・製造を始めました。「ものづくりの原点ともいえる仕事で、精力的に取り組んでいたのですが、ほぼ一人だったため商売としては効率が悪かった。そこでやむを得ず部品加工や組立に方向転換したのです。従って、当社の祖業は自動省力化機械設計であり、それが現在も当社のものづくりの基盤となっているわけです。治具製造などはまさに父の設計ノウハウを生かした技術と言えます」。  本格的にオイルダンパーの自社開発をスタートしたのは2010~2015年頃です。OEMだけでなく、自社の設計・部品加工スキルを発揮したオリジナル製品開発で事業領域を拡大しようとの考えからでした。以前に、弘雄氏の開発によるキッチン吊戸棚昇降装置用オイルダンパーを受託生産していた実績があり、それなら強みを生かせるのではないかと、トレーニングマシン用途をはじめとした小型ダンパーの開発を始めました。

                            株式会社テクノタイヨー
                            代表取締役  水野敏雄氏
                             1996年12月 株式会社テクノタイヨー入社
                             2000年9月  専務取締役就任
                             2005年4月 代表取締役就任
                             大阪府堺市出身、1971年12月7日生まれ、54歳

    安全な住まいづくりに貢献する制振オイルダンパーを開発

     「そのようななか、建材商社から相談があり、開発したのが『木造住宅用制振オイルダンパー』です。オイルダンパーの減衰力、オイル漏れしない、ガタつかない、長期使用に耐えるなどの独自構造や機能は大阪府立大学(現大阪公立大学)との共同研究、製品への具体的な応用は大阪府立産業技術総合研究所 (現大阪産業技術研究所) の協力をいただき完成することができました。これは2020年、近畿経済産業局の『関西ものづくり新撰』にも選定されました。以降、さまざまな分野や用途で開発依頼の声がかかるようになりました」と水野社長はオイルダンパー事業について語ります。
     オイルダンパーは、スピードを減衰して衝撃を緩和し、モノを安全に動かすための機構。テーマパークのアトラクションや、高速道路トンネル内に設置された消火栓の蓋の開閉といった、「そんなところにも?!」と驚くような場所に同社のオイルダンパーが使われているそうです。

    「三つのこころ」でコミュニケーションを育む職場に

     ものづくり精神と共に同社で継承されているのは、「思いやりのこころ・誠実なこころ・あきらめないこころ」を行動規範とした社訓「三つのこころ」です。人材育成でも「三つのこころ」を大事にして社内でのコミュニケーションに努めています。始業時に8分間で行う「コミュニケーション朝礼」や、みんなで一つのテーマについて意見を言い合う月1回の「ブックシェアリングコミュニケーション」は、製造業においては先進的な取り組みでしょう。また、従業員がお互いに対して「感謝したこと」「よいと感じたこと」を投票する「三つのこころ賞」を定期的に開催しています。
     水野社長は人材活用について「当社ではかなり以前からベトナム人材も登用しています。技能実習生として当社で学び、帰国していったベトナム人との共創で、ハノイに日本向けの輸出を行う商社と工場をグループ会社として立ち上げました。本国でも日本でも、ベトナム人材は大変活躍してくれています」と話し従業員へ大きな信頼を寄せています。
     海外拠点を設置したものの、現状では輸入のみで為替変動が経営に影響してしまうことから、「今後はオイルダンパーの海外展開を積極的に行いたい。輸出入のバランスのとれた事業運営を目指しています」と今後の海外戦略の狙いを話します。

    オイルダンパー比率50%で売上目標達成目指す

     水野社長は「売上高を現在の約4億円から10億円に、営業利益率1億円を目指すというのが2029年までの中期目標です。これを実現するために、現状の売上構成16%にとどまっているオイルダンパー事業を50%にまで持っていきたい」と強い意欲を見せています。また、「オイルダンパーは開発部分の占める要素が大きく、加工・組立事業よりも利益率が大幅にアップするため、かなり期待できます」と自社技術に期待を寄せています。
     同社は大切にしている社訓「三つのこころ」を常に携え、中期ビジョンに示した「小型特殊オイルダンパーで世界に安全を届ける!」というスローガンの実現に向け、果敢に挑戦を続けています。

    株式会社テクノタイヨー
    所在地:大阪府堺市東区石原町1丁153番地(本社) 代表者:代表取締役 水野敏雄 工 場:本社工場、野遠工場 設 立:1983年10月8日 資本金:1,000万円 事業内容:各種金属の切削加工、機構ユニット・電装ユニットの組立加工、オイルダンパーの開発・製造、オリジナル製品の開発・製造・組立 ホームページ:https://techno-t.co.jp/
TEKTON - 日本建築材料協会デザイン委員 -TEKTON - 日本建築材料協会デザイン委員 -