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  • 2025年11月10日
    【会員NOW】TOPインタビュー「最高の製品と責任施工で、唯一無二の美しい打ち放しコンクリートを追求」
                    株式会社ピアレックス・テクノロジーズ 廣瀬直輝社長
    打ち放しコンクリートの固定観念を変える(写真撮影:松村芳治)
    打ち放しコンクリートの固定観念を変える
     (撮影:松村芳治)
     今回は、2024年に新規入会された株式会社ピアレックス・テクノロジーズをご紹介します。打ち放しコンクリート建築はスタイリッシュでスマートな印象を与えますが、経年変化で汚れやすいというイメージを持つ人も多いのでは? そんな固定観念を打ち破るのが、同社が独自開発した、コンクリート外壁を美しいまま維持するコーティング材と工法です。
     事業の変遷や製品の強みについて、廣瀬直輝社長にうかがいました。
    「けんざい」編集部

    打ち放しコンクリートの固定観念を打ち破る

     株式会社ピアレックス・テクノロジーズは、「打ち放しコンクリートの作品において、最高の意匠性を形にする」という企業理念のもと、このニッチ分野でナンバーワンを目指す成長期真っただ中の塗料メーカー。2022年にトップに就任した廣瀬社長は、営業マンとしての経験を生かし、事業を牽引してきました。

                            株式会社ピアレックス・テクノロジーズ
                            代表取締役社長  廣瀬 直輝氏
                             2006年 4月 株式会社ピアレックス・テクノロジーズ入社
                             2008年12月 取締役兼営業部長に就任
                             2019年 6月 専務取締役に就任
                             2022年 6月 代表取締役社長に就任
                             大阪府出身、1973年12月28日生まれ、51歳

    工務店から塗料メーカーへ、異色の転身

     「設立は1967年で、私は5代目社長です。当社は工務店としてスタートしたのですが、そのまま建築工事を続けていても先細りになるだろうと当時の経営者は考えました。そこで、1991年からフッ素樹脂と光触媒機能を組み合わせた独自の機能性塗料の開発に取り組み始め、最終的には完全に塗料メーカーに転身しました」と廣瀬社長は会社の歴史を語ります。
     当初はコンクリートに特化していたわけではなく、フッ素樹脂光触媒塗料の製造・販売が事業の大半を占めていましたが、次第にコンクリート補修・改修現場での責任施工体制が構築されるにつれ、対象がコンクリートに集約されていきました。またその頃、安藤忠雄建築研究所に採用されたことが転機となって、打ち放しコンクリートというニッチな分野に照準を定めるようになっていったそうです。
     異色の経歴を持つ同社ですが、当初は苦戦を強いられました。前職は建設関連会社で営業職を務めていたという廣瀬社長。「私が当社に入社した2006年当時、会社は伸び悩んでいました。前職で建設現場を熟知していたので、その経験を生かそうと現場や工務店への営業に励みましたが、なかなか厳しくて。悩んだ末に見つけた突破口が、設計事務所への営業でした。それまでは川下に近いところばかりで営業していたのですが、発想を変えて川上を攻めたら、これが功を奏して一気に採用率がアップしたのです」。

    フッ素樹脂+光触媒の合わせ技は同社だけの特許技術

     同社最大の武器であるフッ素樹脂光触媒塗料(※)とは、一体どのようなものなのでしょうか。光触媒は光と反応して外壁表面の汚れを分解し、雨で洗い流すセルフクリーニング効果があり、フッ素樹脂は言わずと知れた塗料の王様なわけですが、この両機能を組み合わせて開発されたコーティング材が「ピュアコート®」です。「ピュアコート®」でコーティングされた外壁は、極めて高い耐候性を持ち、紫外線もカットするため、メンテナンスコストを抑えるだけでなく、美しい状態を長く保ち(15~20年)建物自体も劣化から守ります。コンクリート面のみならず、塗装面、タイル、金属などにも施工可能で、非常に汎用性が高いのも特徴です。
     同社の強みは「ピュアコート®」をトップコートとする責任施工体制です。「当社は塗料メーカーですが、真価は責任施工にあると考えています。提案や現場管理なども含む“営業”と、自社開発製品の“技術”と、自社の協力業者による“施工”の三位一体の体制は他社にない強みです」と廣瀬社長は強調します。
     この三位一体をベースに独自システム化したのが「G-PFシステム®」というRC工法です。既存の打ち放しコンクリートを対象とし、コンクリート調描画によって新築時のような外壁を再生する工法です。同工法は高い意匠性を特徴としており、コンクリート面に木目などの描画や多彩なカラーバリエーションを施すこともできます。新築物件向けの「N-RCシステム」も開発し、新築、既存(改修)問わずスマートで美しい打ち放しコンクリートの意匠表現にこだわっています。
     ※同社製品は、毒性を持つとされる特定PFAS(有機フッ素化合物)を使用しておらず、高い安全性を有します。

    ブランド力を高め、10億円企業へ

     「今後目指すのは、『美しい打ち放しコンクリートといえばピアレックス・テクノロジーズ』とイメージしてもらえるまでにブランド力を高めることです。そのためには数をこなし、かつ高品質な施工を世に知らしめる必要があります。現在当社の高品質施工を支えてくれているのは少数精鋭の協力業者の方々ですが、信頼できる協力業者さんを増やしていくことが今後の課題になると感じています。今期売り上げ見込みは7億円。私の入社時は1億円程度だったのでかなりの成長だと思います。将来的には、5年後の2030年に10億円を達成したいですね」と意欲を見せる廣瀬社長。自社製品・工法の確固たる技術を携えて、同社がこのニッチな業界でいかなる躍進を見せてくれるのか、とても楽しみです。

    株式会社 ピアレックス・テクノロジーズ
    所在地:大阪府泉大津市条南町4-14(本社・研究センター) 代表者:代表取締役社長 廣瀬 直輝 拠 点:東京営業所、中部営業所 設 立:1967年7月25日 資本金:1,000万円 事業内容:機能性コーティング材の開発、設計、製造、販売、施工
         (フッ素樹脂系光触媒コーティング材料「ピュアコート®」「G-PFシステム®」は同社の登録商標)
    ホームページ:https://www.pialex.co.jp/
TEKTON - 日本建築材料協会デザイン委員 -TEKTON - 日本建築材料協会デザイン委員 -