2007けんざい
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けんざい255号掲載




REDHORSE OSAKA WHEELを下から見上げる

REDHORSE OSAKA WHEEL
 
大阪モノレール「万博記念公園」駅を降りるとすぐ、堂々たる大輪の華が出迎えてくれます。2016(平成28)年7月、大型複合施設「EXPOCITY」に誕生した日本一の高さを誇る観覧車は床面までシースルー。ゴンドラからは太陽の塔や市立吹田サッカースタジアムを見下ろすことができ、遠くには天王寺のあべのハルカスも。この観覧車、免震構造も採用しているというから驚きです。 

「けんざい」編集部



エキスポランド跡に新たな大阪のシンボル誕生ー
 大阪の名所に去年の夏、また新たなランドマークがそびえ立ちました。地上123m、高さ日本最高の観覧車「REDHORSE OSAKA WHEEL(レッドホースオオサカホイール、以下OSAKA WHEELと表記)」です。アジア初の日本万国博覧会「EXPO’70」が開催された万博記念公園に2015( 平成27)年11月、「EXPOCITY(エキスポシティ)」がオープンし、多くの話題をさらいました。家族連れなどで訪れた読者の方々も多いのではないでしょうか。そのときはまだ、EXPOCITYの目玉となるOSAKA WHEELは工事中だったのですが、満を持しての完成となりました。
 今回は、OSAKA WHEELの運営会社であるFWIホスピタリティ株式会社・PRシニアマネージャーの三上紅美子さんにご案内いただきました。
 「OSAKA WHEELを含む8つのエンターテインメント施設と約300店舗のショッピング施設を擁するEXPOCITYは、日本最大級の大型複合施設。エンターテインメント施設が付属した商業施設は全国でも珍しいんです」と三上さん。「『遊ぶ、学ぶ、見つける』楽しさをひとつに!」というテーマを掲げ、国内外から人が集い交流する新たなコミュニティーをつくり出すことで、47年前の万博開催当時の熱気と賑わいを呼び覚ますようなランドマークになるのが、EXPOCITYの目指すところです。その「顔」となる観覧車は、まさにランドマークの中のランドマークといえるでしょう。
シースルーのゴンドラから絶景を楽しむ
 ずらりと並んだ72基の真っ白なゴンドラ。通常ゴンドラの定員は6人で、1周にかかる時間は18分です。取材陣も三上さんのご案内で早速乗り込み、本コーナー初となる“観覧車に乗りながらの取材”に臨みました。
 「123m」とした理由について、「OSAKA WHEELは新しいランドマークの看板であり象徴となることを最も意識してつくられました。開発事業者の三井不動産株式会社による企画初期からすでに観覧車をつくる構想があり、最初から日本一の高さにすることも決まっていました。日本で最も高い、かつ親しみやすい数字として123mになりました」と三上さんは話します。
 日本一のOSAKA WHEELは、世界でも現在5番目の高さを誇ります。OSAKA WHEELをつくるにあたり、世界各国の観覧車が研究され、参考にされました。72基のうち、VIPゴンドラが2基あります。特別仕様の照明に革張りシート、定員4人とまさにVIP仕様。特別仕様のゴンドラは海外の観覧車には事例がありますが、日本で取り入れたのはOSAKA WHEELが初めてです。
 他にも観覧車好きの心をくすぐる趣向がたくさんあります。ゴンドラの天井から座席部分を除く床面までが全てガラス張り、シースルーです。目の前には大阪の絶景が広がり、足元には遥か下の地上が見えてスリル満点です。高いところが苦手でない人でも最初は少しひるんでしまうかもしれません。
 他にも、ゴンドラ内にはタブレットが装備され、EXPOCITYに関するオリジナル情報番組が配信されています。また、お酒を含む飲み物も持ち込み可能で、窓際にはドリンクホルダーも設置されており、ビール片手に夜景を楽しむのもおすすめです。



窓際にはタブレット&ドリンクホルダーを設置

ゴンドラからの眺望。足下もシースルー

VIPゴンドラはシートが革張り






日本初の大臣認定観覧車、世界初の免震観覧車
 OSAKA WHEELは、観覧車では世界で初めて免震構造を採用したことでも注目されています。2006(平成18)年に建築基準法が改正され、高さ60m以上の遊戯施設に大臣認定が必要になったことで、耐震性はじめ安全性の基準が以前より厳しくなりました。この改正以降初めて大臣認定をとった大型観覧車がOSAKAWHEELでした。
 「高さ123m、中心の主軸部分だけでも120t。遊戯施設としてはとても大きな構造物です。改正基準法を踏まえ、もちろん耐震は考えていましたが、大阪の地盤の特徴などを考慮した上で免震構造に決めました」。
 免震層は地下につくられています。観覧車の躯体直下に免震層、その下に基礎があるのですが、免震層部分は空洞になっており、ゴムの入った免震装置が躯体を支えています。免震層の上にある観覧車に乗っていると、小さな揺れは全く感じませんが、現地で震度2以上の地震を察知すると、一時停止するオペレーションになっています。
 「観覧車に免震層を設けた事例は当然過去になかったので、従来の免震構造を観覧車に応用してOSAKAWHEELの設計に組み込むなど、いかにして安全性を実現するかに最も時間を費やしました」と三上さんは語ります。稼働後は、日々の綿密な点検を徹底して利用者の安全に最大限配慮しているそうです。
 躯体もゴンドラも全て純白で透明な観覧車は、シンプルな美しさを感じさせます。一方で、日没後のイルミネーションや、タイアップによるラッピングなど、TPOに応じてさまざまな色に染まることもできるのです。 
 大阪が誇る新ランドマークとして、今後の活躍にも目が離せません。

 



躯体と基礎の間にある免震




 

 



REDHORSE OSAKA WHEEL/

所在地:大阪府吹田市千里万博公園2-1 EXPOCITY内
TEL:06-6170-3246
URL: http://osaka-wheel.com/


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